サマリー
◆経済見通しを改訂:2014年4-6月期GDP一次速報を受け、経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2014年度が前年度比+0.7%(前回:同+1.1%)、2015年度が同+1.5%(同:同+1.5%)である(→詳細は、熊谷亮丸他「第182回 日本経済予測」(2014年8月20日)参照)。日本経済は、2014年4-6月期に消費税増税の影響で一時的に低迷したものの、7-9月期以降、緩やかな回復軌道を辿る見通しである。①足下で消費税増税に伴う悪影響がおおむね一巡したとみられること、②米国向けを中心に輸出が徐々に持ち直すことなどが、日本経済の好材料となろう。日本経済のリスク要因としては、①実質所得低迷による個人消費の停滞、②中国の「シャドーバンキング」問題、③地政学的リスクを背景とする原油価格高騰や世界的な株安の進行、④米国の出口戦略に伴う新興国市場の動揺、の4点に留意が必要である。
◆人手不足が日本経済に与える影響は?:今回のレポートでは、人手不足が日本経済に与える影響について検証した。労働需給は非常にタイトな状況が続くと見込まれるものの、労働需給のひっ迫が賃金上昇や、雇用者の待遇改善につながり、それに伴い新たに就労を希望する者が増加する(=労働力率が上昇する)という前提に基づけば、当面人手不足が日本経済の致命的なボトルネックにはならないと考えられる。ただし、上記のメカニズムが働かない場合には、就業者数は2015年度、2016年度でそれぞれ、34.3万人、66.3万人程度不足し、これによって実質GDPは2015年度が3.4兆円、2016年度が7.2兆円程度下押しされる計算となる。こうした人手不足を労働力率の上昇のみによって解消するためには、2015年度の労働力率が0.4%pt、2016年度には0.8%pt上昇する必要がある。仮にマンアワーベースの生産性上昇で補うとすれば、2015年度が0.6%、2016年度が1.3%、生産性を引き上げることが必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2026年10月号(No.479)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州
2026年09月18日
-
金利上昇が問う財政への信認
2026年09月18日
-
日本経済見通し:2026年9月
「戦後最長」見込みの令和の景気拡大、その特徴と課題
2026年09月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

