サマリー
◆日本経済は順調な回復軌道へ:日本経済は順調な回復軌道を辿っている。当社の実質GDP予想は2014年度が前年度比+1.1%、2015年度が同+1.5%である(→詳細は、熊谷亮丸他「第181回 日本経済予測(改訂版)」(2014年6月9日)参照)。景気は、2014年4-6月期には消費税増税の影響で一時的に低迷したものの、7-9月期以降順調な回復軌道を辿る見通しである。①消費税増税による悪影響が限定的とみられること、②米国向けを中心に輸出が緩やかに持ち直すことなどが、日本経済の好材料となろう。
◆日本経済が抱える4つのリスク要因:日本経済のリスク要因としては、①新興国市場の動揺、②中国の「シャドーバンキング」問題、③「欧州ソブリン危機」の再燃、④地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要となろう。特に当社は、上記①が、②・③と密接な関連を有している点を強調したい。世界の景気サイクルを見ると、過去の局面では米国を中心とする先進国経済が、新興国経済変動の原動力となってきたが、足下では、「先進国=好調。新興国=不調」という形で、両者の間で「デカップリング」が生じている。当社は、今回の「デカップリング」発生の原因は、①欧州危機に伴い、欧州系金融機関の新興国に対する融資が細っていること、②中国経済の低迷、③米国が拙速な出口戦略を講ずることへの警戒感を背景とする新興国からの資金引き揚げ懸念、の3点だと考えている。最終的に、米国経済の拡大が続く中で、新興国経済の底割れは回避される見通しであるが、とりわけ中国経済の動向には細心の注意が必要であろう。
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