サマリー
◆これまで設備投資を抑制していた要因(期待利潤の低下や不確実性の高まり)が解消されつつあり、世界経済は循環的に拡大局面にあると判断できる。金利が低水準にとどまっている間は設備投資の拡大が見込まれるが、予測期間後半には金利上昇を受けて、設備投資の伸びは抑制されていくだろう。
◆先進国経済の回復・拡大は、輸出の伸びを通じて一義的には新興国経済にとっても追い風となりうる。しかし先進国の金融政策が引締めへと転換する中でグローバルマネーフローが変化し、先進国の好調と新興国の不調が、数年間という単位で構造的に発現していくだろう。
◆日本経済にとって強力な追い風が吹いているにもかかわらず、足元で輸出数量が伸びない理由として、5つの構造要因が考えられる。但し、過度の悲観は禁物であり、多くの要因はいずれ解決に向かうか、あるいはこれまでとは異なったルートで日本経済の改善につながるとみられる。だが、5つの構造要因のうち「海外生産移転に伴う輸出減少」のみ長期的な影響が大きく、国内の空洞化対策が不可欠となろう。
◆目次
3.世界経済の変調と日本経済 | |
(1)設備投資循環から探る世界の景気循環 | p.2 (小林) |
(2)米国金融政策とグローバルマネーフロー | p.13(小林) |
(3)円安・海外経済回復の中でも輸出が伸びない5つのリスク | p.22(小林) |
4.モデルの概説とシミュレーション | p.34(神田) |
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済中期予測(2014年2月)解説資料
牽引役不在の世界経済で試される日本の改革への本気度
2014年02月18日
-
日本経済中期予測(2014年2月)
牽引役不在の世界経済で試される日本の改革への本気度
2014年02月05日
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2025年9月号(No.466)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2025年08月25日
-
マーケットは堅調も、米国経済の不透明感は増す
2025年08月25日
-
日本経済見通し:2025年8月
経済見通しを改訂/トランプ関税の影響に引き続き警戒
2025年08月22日
最新のレポート・コラム
-
KDD 2025(AI国際会議)出張報告:複数AIの協働と専門ツール統合が新潮流に
「AIエージェント」「時系列分析」「信頼できるAI」に注目
2025年09月03日
-
消費データブック(2025/9/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年09月02日
-
2025年4-6月期法人企業統計と2次QE予測
トランプ関税等の影響で製造業は減益継続/2次QEはGDPの上方修正へ
2025年09月01日
-
企業価値担保権付き融資の引当等の考え方
将来情報・定性情報を適切に債務者区分・格付に反映
2025年09月01日
-
“タリフマン”トランプ大統領は“ピースメーカー”になれるか ~ ノーベル平和賞が欲しいという野望
2025年09月03日
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日