サマリー
◆安倍新政権に求められる経済政策:2012年12月16日に実施された第46回衆院選の結果、自由民主党と公明党の連立による安倍晋三政権の成立が確実になった。今回のレポートでは、安倍新政権に求められる経済政策について考察した。安倍新政権は、日本経済再生に向けて、[1]トップリーダーの確固たる「ビジョン(国家観・哲学)」に基づいた体系性のある政策を実行、[2]「内需」や「需要サイド」のみに固執するのではなく、「外需」や「供給サイド」も重視したバランスのとれた経済政策を実施、[3]消費税引き上げ、社会保障費を中心とする歳出削減などを通じて「財政再建」を実現、[4]政府・日銀がより一層緊密に連携、という4点を柱に据えた経済政策を断行すべきである。特に、上記[4]に関連して、当社は、グレンジャー因果性を用いた分析などによれば、日銀のさらなる金融緩和を通じた円安・株高の進行などがデフレ脱却に有効だと考えている。
◆経済見通しを改訂:2012年7-9月期GDP二次速報を受け、2012-13年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2012年度が前年度比+1.0%(前回:同+0.7%)、2013年度が同+1.1%(同:同+0.9%)である。2011年度の国民経済計算確報発表を受けて、公共投資の見通しを大幅に上方修正した(→詳細は、熊谷亮丸他「第175回 日本経済予測(改訂版)」(2012年12月10日)参照)。
◆日本経済のメインシナリオとリスク要因:日本経済は海外経済の悪化などを背景に、2012年3月を「山」に景気後退局面入りした可能性が濃厚である。今後の日本経済は、様々な景気下振れリスクを抱えつつも、メインシナリオとして、[1]米国・中国経済の持ち直し、[2]震災発生に伴う「復興需要」、[3]日銀の追加金融緩和、という「三本の矢」に支えられて、2013年以降、緩やかな回復軌道を辿る公算である。日本経済のリスク要因としては、[1]「欧州ソブリン危機」の深刻化、[2]日中関係の悪化、[3]米国の「財政の崖」、[4]地政学的リスクなどを背景とする原油価格の高騰、の4点に留意が必要である。
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