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日本経済見通し:消費税引き上げを巡る5つの論点

世界的な税制改革の潮流などに照らしても、消費税引き上げが急務

2012年02月20日

リサーチ本部 副理事長 兼 専務取締役 リサーチ本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

経済見通しを改訂:2011年10-12月期GDP一次速報を受け、2011-12年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2011年度が前年度比▲0.5%(前回予想:同▲0.3%)、2012年度が同+1.7%(同:同+1.8%)、今回新たに予測した2013年度が同+1.4%である。今後の日本経済は、メインシナリオとして、東日本大震災発生に伴う「復興需要」などに支えられて緩やかな景気拡大が続く見通しである。ただし、日本経済のリスク要因としては、(1)「欧州ソブリン危機」の深刻化、(2)地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、(3)円高の進行、(4)原発停止に伴う生産の低迷、の4点に留意が必要となろう(→詳細は、熊谷亮丸他「第172回 日本経済予測(2012年2月16日付)」参照)。

消費税引き上げを巡る5つの論点:現在、わが国では消費税引き上げの是非を巡る論議が高まっている。今回のレポートでは、消費税引き上げを巡る5つの論点について検討した。当社は、わが国では高齢化が進展し財政赤字が累増するなか、世界的な税制改革の潮流などに照らしても、消費税引き上げが急務であると考えている。第一に、グローバルなデータを用いた分析などからは、財政赤字の累増が経済に悪影響を及ぼす可能性が示唆される。特に、わが国では、将来不安が貯蓄率を押し上げている可能性が高い。第二に、消費税には、(1)水平的公平性・世代間の公平性、(2)経済活動への中立性、(3)高齢化社会に向けた税収の安定性、という3つの側面でメリットがある。第三に、「経済成長すれば、財政再建は達成可能」との考え方には大きな疑問が残る。第四に、海外の事例などを検証すると、消費税引き上げが必ずしも景気に大幅な悪影響を及ぼしている訳ではない、第五に、海外の財政再建の成功例などから得られる示唆として、わが国が財政再建を成就する鍵は社会保障費の削減にある。

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