サマリー
◆経済見通しを改訂:2011年4-6月期GDP二次速報を受け、2011-12年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2011年度が前年度比+0.1%(前回予想:同±0.0%)、2012年度が同+2.6%(同:同+2.6%)である。
◆日本経済のメインシナリオ:今後の日本経済は、メインシナリオとして、2011年度下期以降、復興需要に支えられて回復軌道を辿る展開が予想される。現時点で、当社は、東日本大震災による、2011年度の実質GDP成長率に対する押し下げ幅は▲1.4%ポイント程度と試算している。
◆日本経済の3つのリスク要因:今回のレポートでは、日本経済が抱える3つのリスク要因について検証した。日本経済のリスク要因としては、(1)原発停止に伴う生産の低迷、(2)世界的な金融市場の混乱を受けた海外経済の下振れ、(3)円高の進行、の3つに留意が必要である。仮に、わが国で全ての原発が停止した場合、実質GDPに対しては1%以上の低下圧力がかかる可能性がある。他方で、現状の米国では、世界大恐慌期やわが国の平成不況期とは異なり、(1)政策対応が迅速、(2)労働市場が柔軟、(3)金融システム不安が後退、などの理由から、財政・金融面の「出口戦略」を急ぐことがなければ、「デフレスパイラル」を伴うような「長期構造不況」は回避される公算が大きい。為替相場に関しては、米国の通貨当局が、本格的な「ドル防衛策」に乗り出すか否かが焦点となろう。
◆日本経済のメインシナリオ:今後の日本経済は、メインシナリオとして、2011年度下期以降、復興需要に支えられて回復軌道を辿る展開が予想される。現時点で、当社は、東日本大震災による、2011年度の実質GDP成長率に対する押し下げ幅は▲1.4%ポイント程度と試算している。
◆日本経済の3つのリスク要因:今回のレポートでは、日本経済が抱える3つのリスク要因について検証した。日本経済のリスク要因としては、(1)原発停止に伴う生産の低迷、(2)世界的な金融市場の混乱を受けた海外経済の下振れ、(3)円高の進行、の3つに留意が必要である。仮に、わが国で全ての原発が停止した場合、実質GDPに対しては1%以上の低下圧力がかかる可能性がある。他方で、現状の米国では、世界大恐慌期やわが国の平成不況期とは異なり、(1)政策対応が迅速、(2)労働市場が柔軟、(3)金融システム不安が後退、などの理由から、財政・金融面の「出口戦略」を急ぐことがなければ、「デフレスパイラル」を伴うような「長期構造不況」は回避される公算が大きい。為替相場に関しては、米国の通貨当局が、本格的な「ドル防衛策」に乗り出すか否かが焦点となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2025年5月号(No.462)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2025年04月24日
-
「相互関税」騒動と日本の選択
2025年04月24日
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日