電力料金の値上げによる生産への影響について

電力料金10%の値上げで、生産が2.4%程度下押しされる見込み

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2011年08月05日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 齋藤 勉

サマリー

◆現在、原子力発電所の稼働停止問題によって、電力不足に対する不安が再燃しており、今後の生産活動のリスク要因として懸念されている。この問題が生産へ影響を及ぼす主な経路として、(1)電力供給制約、(2)電力料金の値上げと電力需要の減少、(3)産業の空洞化、という3つが指摘できる。本稿では(2)の経路について分析し、電力料金の値上げによる生産への影響を考察する。

◆電力料金の値上げが生産をどの程度低下させるかについては、「電力料金と電力需要の弾性値」と「電力需要と生産の弾性値」を掛け合わせることによって、その影響度を計測することができる。電力料金の値上げのリスクを慎重に捉えると、今回得られた結論として、電力料金が5%~20%値上げされた場合、鉱工業生産は▲1.2%~▲4.7%程度下押しされることが見込まれる。

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