サマリー
◆8月の完全失業率(季節調整値)は2.6%と前月から0.3%pt上昇した。失業者数は4カ月ぶりに増加(前月差+15万人)した。他方、就業者数は減少(同▲21万人)したものの、依然高水準を維持している。完全失業率は振れを均すと低水準にとどまり、雇用環境が大きく変化したわけではなさそうだ。
◆8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍と2カ月ぶりに低下し、新規求人倍率は2.15倍と2カ月連続で低下した。求人側の指標は、2022年後半以降、振れを伴いながらも緩やかな減少トレンドが継続している。
◆先行きの雇用環境は緩やかな改善が続くとみている。労働供給は中長期的に減少していく可能性が高く、企業は高水準の賃上げなど、人材確保に向けた積極的な取り組みを続けている。足元ではトランプ米政権による高関税政策(トランプ関税)による影響が懸念されるが、失業率が低水準での推移を続けるなど、雇用環境に大きな変化は見られない。ただし、トランプ関税や最低賃金の引き上げが労働需要へ及ぼす影響には注意が必要だ。
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