サマリー
◆前回のレポートにて、企業におけるデータ利活用を成功させるためには、「目的」や「データ」を明確化することが重要であると議論した。次に課題となるのは、「目的」に基づき収集した「データ」を、企業全体で効果的に利活用するための適切なデータ整備方法の検討と実施である。
◆政府におけるデータ整備として、国民の利便性向上や行政運営の効率化を目的に、官公庁ごとに管理していた行政データの相互利用を行う、ベース・レジストリの取り組みがある。この取り組みは2023年に一度見直しが行われており、その際にデータの品質確保とデータの公開範囲が課題として指摘されている。
◆これらは企業がデータ整備を行う際にも十分に発生しうる課題である。この課題に対する政府の対応を見ると、企業全体でデータを効果的に利活用するためには、データ整備のための社内標準の策定、データ品質を確保し常時提供を可能とする環境および運用体制の構築、適切な公開範囲の特定および制御等、全社的な対応が必要となる。そして、ある程度トップダウンで進める必要があること、データ利活用のために企業内の体制やビジネスモデルの変革が伴うことから、DXの実現も期待される。
◆また、データ整備を行うにあたり相互運用性(異なるシステムや組織がデータや情報を円滑に交換し利用できる能力)の確保が重要となる。今後ビジネスにおけるデータ利活用が進むことで、社内外のデータを提供または取得する機会が増加すると考えられる。データの整備手法が一般的な方法と乖離している場合、ビジネスにおいて不利になる可能性がある。この相互運用性を実現する国際的な標準は、技術の変化等に応じて変化していくことも予想される。政府の取り組み等を参考に適宜情報を収集し対応していくことが求められるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
ビジネスにおけるデータ利活用、どう実現する?
業務効率化が必ずしもDXに繋がらない可能性があることに注意
2024年12月26日
-
DFFT実現の決め手はデジタル技術?
自由なデータ流通における信頼・信用はデジタル技術が鍵となる
2024年09月12日
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(6/17~7/14発表統計)
2026年07月14日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日


