DFFT実現の決め手はデジタル技術?

自由なデータ流通における信頼・信用はデジタル技術が鍵となる

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2024年09月12日

サマリー

◆DFFT(Data Free Flow with Trust)とは、「信頼性のある自由なデータ流通の促進を目指す」というコンセプトであり、2019年に日本により提唱された。「データは21世紀の石油」と表現される等、データは21世紀の経済成長やイノベーションの基盤となる重要なものである。そのデータを、どのように各国間で流通させたいのかを提示したこのコンセプトは、各国に受け入れられ、現在も実現に向けた議論が進められている。

◆DFFTの実現には、データローカライゼーション、規制協力、政府によるデータアクセス、優先分野のデータ共有という4つの大きな課題がある。これらの課題は、国家および公共の安全の維持や自国内の産業保護といった各国のデータ戦略が深く関わるため、一筋縄ではいかない。解決には、DFFTの「T」にあたる「Trust(信用・信頼)」をどのように実現するのかが鍵となる。

◆データは、物理的な形を持たず、プライバシーやセキュリティ面での厳格な対応が求められる等、従来の取引とは異なる特徴を持つ。そのため、従来の法的枠組み等では対応できない部分の「Trust(信用・信頼)」については、デジタル技術での補完が期待される。DFFTの実現には、デジタル技術がどこまで「Trust(信用・信頼)」に寄与できるかがポイントとなる。また、DFFTにおける「Trust(信用・信頼)」の構築に関する国際的な議論・合意形成の場となるIAP(the Institutional Arrangement for Partnership)の存在は、今後ますます大きなものになるだろう。

◆このように具体化に向けて動き出したDFFTにおいて、日本はその提唱国として、リーダーシップを維持・強化するための取り組みを積極的に行っている。これは、国際的なデータガバナンスにおける日本のプレゼンスを高めるほか、各国が重要視するデータ流通の国際ルールに対して、日本企業のニーズを反映させていくことにも繋がる。次回のレポートでは、このDFFTの実現およびIAPの設立に対する日本国内の取り組みや課題について取り上げる。

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