サマリー
近年、Hayashi and Tachi(2022)や浦沢(2021)によるGDPナウキャスティングモデルの予測値の公表が始まるなど、実質GDPを早期に把握する手段として、ナウキャスティングモデルが注目されている。本稿では、こうした運用実績の高い手法や機械学習によって得た複数の予測系列から精度の高いものを抽出し、それらにウェイト付けを行う手法によってGDPナウキャスティングモデルを構築した。更に、一部のマクロ経済統計については、オルタナティブデータ・業界統計などの速報性の高いデータによって得た推計値をモデルに取り込むことで、より早期に経済活動の変動を捉えることを試みた。
こうして構築されたモデルによる実質GDP予測の精度は市場予測の精度を上回り、同モデルは実質GDPの早期把握に有効な手段であることが示唆された。ただし、コロナショック以降はGDPナウキャスティングモデルによる予測値と実質GDP成長率の実績値の乖離が大きくなる傾向が見られるなど課題も残る。

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