サマリー
◆9月日銀短観では、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+8%pt(前回差▲1%pt)、大企業非製造業では+14%pt(同+1%pt)となった。大企業製造業の内訳を見ると、「加工業種」の業況判断DI(最近)は横ばいとなったものの、「素材業種」が悪化するなど、業種間での方向感の違いが目立つ。大企業製造業の業況判断DI(先行き)は+9%pt(今回差+1%pt)、大企業非製造業は+11%pt(同▲3%pt)となり、とりわけ非製造業において先行きへの警戒感が強まっている。
◆「国内での製商品・サービス需給判断DI(最近)」を確認すると、大企業製造業で0%pt(前回差▲2%pt)、大企業非製造業で▲8%pt(同▲1%pt)と、いずれも前回調査から悪化した。先行きは、大企業製造業は横ばいを、非製造業(今回差▲1%pt)は悪化を見込む。価格判断DI(先行き)では非製造業に関しても交易条件(販売価格判断DIと仕入価格判断DIの差)が改善に転じることが示唆され、仕入価格の上昇が一服した後も販売価格の上昇は続くとみられる。
◆2022年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+16.4%であった。全規模ベースで業種別に見ると、製造業が同+21.2%、非製造業が同+13.6%となった。例年と比較して、大企業非製造業を中心に上方修正幅は大きい。2021年度に予定されていた設備投資の先送り分が発現しているという側面も強いが、国内外で新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、経済活動の正常化が進展することへの期待感から、企業の設備投資意欲が高まるとみている。
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