サマリー
ビジネスや日常生活の様々な場面でAI(人工知能)が利用されるようになり、ここ10 年で経済分析にも応用する試みが増えてきた。そこでこれまでの応用事例を振り返り、AIの経済分析への活用方法を再検討する。サイズが数千程度のデータを使い、変数間の因果関係やメカニズムを特定したい場合は、従来の計量経済学的な手法で十分だ。しかし、テキスト・位置情報・画像などの新しいデータサイズの大きいデータを利用できるという柔軟性の面では、機械学習などのAI的な手法が適しており、これらの目的に沿った形で、これまで有益な経済分析への応用事例が見られる。さらに、機械学習や計量経済学がそれぞれ抱える課題を克服する研究も行われており、両者は互いの手法を参考にしながら、次第に接近していくものと思われる。
経済分析を行う上での注意点は、公的統計とは異なり、分析に使えるようにするためのデータの前処理に非常に時間が掛かることや、データが高額となりがちなことなどだ。AIや新しいデータを経済分析に活かすには、人材育成だけでなく、組織自体もData-Oriented な形へと変わる必要がある。組織が一体となって取り組むことが、AIの先進性を享受するカギとなろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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