サマリー
世界経済が正常化に向かいつつある中、日本の輸出は世界的な半導体不足などを背景に伸び悩んでいる。ポストコロナを見据えつつ、輸出の成長力を強化するためには、その余地がどこにあるのかを検討することが有効であろう。そこで本稿では、「マーケットポテンシャル」という概念を利用して輸出額の伸びしろを測定し、日本の輸出増に向けたヒントを探る。
マーケットポテンシャルによれば、主要な輸出先の一つである中国向けの伸びしろは2001 年から縮小傾向にある。これは、日本が対中輸出に関する諸条件を活用して増加につなげることができたことを示唆している。また、米中向け輸出を品目別に見ると、一般機械や電気機器など輸出額の大きい品目に大きな伸びしろが残されていることが分かった。主力品目のマーケットポテンシャルを詳細に分析したところ、輸出先の関税率の低さや比較優位などのアドバンテージを十分に活用することで、輸出額がさらに増加する可能性が明らかになった。国内の労働力や資本などの生産要素を主力分野に重点的に投入することや、FTAなどの利用手続きの簡略化など、輸出企業がより競争力を活かしやすくするような環境の整備が政府には求められる。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1月機械受注
製造業の反動減などにより、船電除く民需は2カ月ぶりに減少
2026年03月19日
-
2026年2月貿易統計
春節の影響で輸出数量は減少、今後は中東リスクが懸念材料に
2026年03月18日
-
2026年3月日銀短観予想
製造業の業況は改善見込みも、中東情勢の緊迫化で先行きは悪化へ
2026年03月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

