経済指標の要点(5/20~6/15発表統計分)

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2021年06月15日

  • 和田 恵
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬
  • 金融調査部 研究員 瀬戸 佑基
  • 吉田 智聡

サマリー

◆【企業部門】2021年4月の輸出や生産は小幅に増加した。輸出数量指数は前月比+0.2%であった。特に半導体等製造装置の輸出が好調だったアジア向けが押し上げた。鉱工業生産指数は同+2.9%であった。海外の設備投資需要や国内外の半導体需要の増加を背景に、汎用・業務用機械工業など幅広い業種で生産が増加した。ただし、自動車工業は半導体不足の影響により軟調である。第3次産業活動指数は同▲0.7%と2カ月ぶりに低下した。まん延防止等重点措置や3回目の緊急事態宣言の発出等を受けて、広義対個人サービスが押し下げた。

◆【家計部門】2021年4月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。二人以上世帯の消費額は前月比+0.1%とおおむね横ばいであった。雇用・所得関連指標では、完全失業率が2.8%と前月から0.2%pt上昇した。就業者数が26万人減少した一方、失業者は14万人増加した。有効求人倍率は1.09倍と2カ月ぶりに低下した。3回目の緊急事態宣言の発出などを受けて一部のサービス業を中心に労働需要が減少した。現金給与総額は前年比+1.6%と感染拡大で急減した前年同月の裏の影響が表れた。

◆【四半期指標】2021年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前期比+0.6%、経常利益は同+5.6%と3四半期連続の増収増益であった。売上高はコロナ禍前(2019年10-12月期)を下回った一方、経常利益はコスト削減を背景に上回った。経常利益を業種別に見ると、製造業は同+12.5%、非製造業は同+1.4%と大きく差が開いた。2度目の緊急事態宣言の影響でサービス業の回復が鈍かった。

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