サマリー
◆【企業部門】2021年2月の輸出や生産活動は特殊要因もあって悪化した。輸出数量指数は前月比▲3.4%と低下に転じた。中国における春節時期のずれ込みや米国の記録的な寒波などの特殊要因が低下に寄与した。鉱工業生産指数は同▲2.1%と2ヶ月ぶりに低下した。福島県沖地震などの影響で部品供給が停滞した自動車工業の減産が全体を押し下げた。
◆【家計部門】2021年2月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。二人以上世帯の消費額は前月比+2.4%と2ヶ月ぶりに増加した。教育や外食への支出が増加に寄与した。雇用・所得関連指標では完全失業率は2.9%と前月と同率だった。就業者は前月から3万人増加し、失業者は横ばいであった。有効求人倍率は1.09倍へと小幅に低下したものの、総じて見れば雇用環境は上向いているとみられる。現金給与総額は前年比▲0.1%と依然として前年割れが続いている。
◆【四半期指標】2021年3月短観によると、大企業製造業の業況判断DI(最近)は+5%pt(前回差+15%pt)、大企業非製造業は▲1%pt(同+4%pt)といずれも2020年12月の前回調査から上昇した。製造業が新型感染症拡大前(2019年12月)の水準を上回った一方、非製造業は同時期を大きく下回っており、依然として回復途上にある。
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