サマリー
◆2020年12月の完全失業率(季節調整値)は2.9%と、前月から横ばいだった。内訳を見ると、就業者は前月差▲6万人と減少し、失業者は同+6万人と増加した。就業者の中では雇用者数の減少が全体を押し下げた。雇用者数の減少は前月の大幅増の反動が主因とみられるが、新型コロナウイルス感染拡大の深刻化を受けた労働需要の減少を反映している可能性もある。失業者を求職理由別に見ると、自発的な離職(自己都合)による者は増加したものの、非自発的な離職者数は前月から横ばいだった。
◆12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.06倍と前月から横ばいだった。新規求人倍率(同)は前月から0.05pt上昇して2.07倍となった。新規求人数は前月の大幅増の反動から2ヶ月ぶりに減少した。
◆先行きの雇用環境は、緊急事態宣言の再発出を受けて悪化に向かうとみている。ただし、戦後最大ともいえる景気悪化をもたらした前回宣言時と比べると、今回は経済への悪影響がかなり小さくなる見込みである。そのため前回のような厳しい要請を行う事態に発展しなければ、雇用環境は小幅な悪化にとどまりそうだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
次世代型企業研修の最前線
対話型AIやメタバースを活用した人的資本形成の効率化・高度化
2025年11月10日
-
2025年9月消費統計
衣料品など半耐久財が弱く、総じて見れば前月から小幅に減少
2025年11月07日
-
人手不足下における外国人雇用の課題
労働力確保と外国人との共生の両立には日本語教育の強化が不可欠
2025年11月06日

