サマリー
◆2019年12月の消費は、供給側の商業動態統計では小幅に増加した。一方、需要側(二人以上世帯)では、家計調査で減少、CTIミクロで増加と対照的な結果となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減の影響が残存しているのに加え、暖冬の影響も重なり、実態としては前月から概ね横ばいの推移だったとみられる。
◆業界統計・POSデータで1月までの消費動向を確認すると、業種によって明暗が分かれている。家電量販店ではパソコン販売の好調さを牽引役として増税前の水準まで回復しつつある一方、自動車販売は低水準での推移が続いており、回復の兆しも見られない。百貨店は緩やかな回復傾向が続いているが、1月末からは新型肺炎による訪日中国人数が減少しており、インバウンド消費には陰りが見られる。
◆先行きの実質個人消費は、消費増税が実施された2019年10月を底に緩やかに増加傾向が続き、2020年春頃には増税前の水準に戻るとみている。ただし、足下の消費はキャッシュレス決済時のポイント還元制度など各種経済対策によって押し上げられている点には注意が必要だ。増税対策の多くは2020年中に終了するため、春以降は段階的に対策効果が剥落し、振れを伴いながらの推移になろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2019年11月消費統計
消費は改善するも、増税前の水準からは距離がある
2020年01月10日
-
新指標「METI POS小売販売額指標」の見方
1週間前の消費動向まで把握が可能に
2020年01月09日
-
2019年10-12月期GDP一次速報予測~前期比年率▲3.5%予想
駆け込み需要の反動減と台風の影響で5四半期ぶりのマイナス成長
2020年01月31日
-
新型肺炎で日本経済はマイナス成長の恐れ
新型肺炎が拡大・長期化すると実質GDP成長率を1%pt以上押し下げ
2020年02月06日
同じカテゴリの最新レポート
-
メタバースは本当に幻滅期で終わったか?
リアル復権時代も大きい将来性、足元のデータや活用事例で再確認
2025年06月11日
-
2025年1-3月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率▲0.2%に改善するも民間在庫が主因
2025年06月09日
-
2025年4月消費統計
総じて見れば前月から概ね横ばい、先行きも横ばい圏で推移しよう
2025年06月06日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日