2019年9月日銀短観予想
製造業を中心に業況悪化が継続
2019年09月12日
サマリー
◆10月1日に公表予定の2019年9月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は1%pt(前回調査からの変化幅:▲6%pt)、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は22%pt(同:▲1%pt)と予想した。日本企業の業況感は、製造業を中心として2017年末にピークをつけたのち、現在に至るまで悪化傾向が続いている。
◆製造業では、海外経済の減速と米中貿易摩擦の激化が業況判断を悪化させるだろう。非製造業では、消費増税前の駆け込み需要が押し上げ要因となる一方、7月の悪天候で消費が落ち込んだことや外国人旅行客の減少、製造業向け需要の減少が下押し要因となるだろう。
◆製造業と非製造業の業況判断DI(先行き)は、いずれも引き続き悪化すると見込む。10月以降、米中による追加関税が発動され、現時点ではその影響も大きくなる可能性が高い。また、10月に実施される消費増税後の内需停滞への懸念も先行きの業況判断を下押しするだろう。
◆2019年度の設備投資計画(全規模全産業、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)は前年度比+3.4%と、前回の6 月日銀短観(同+2.3%)から上方修正されると予想した。9 月日銀短観の設備投資計画には、中小企業を中心に上方修正されるという統計上のクセがあるが、企業の慎重姿勢が強まっていることを踏まえ、今回の修正幅は例年の修正パターンよりやや小さくなると想定した。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月15日
ポストコロナの人事制度を考える視点
~働く人の意識変化をどう捉えるか~
-
2021年01月14日
2020年11月機械受注
船電除く民需は市場予想に反し2ヶ月連続で増加、回復基調が強まる
-
2021年01月14日
アメリカ経済グラフポケット(2021年1月号)
2021年1月12日発表分までの主要経済指標
-
2021年01月13日
震災10年、被災地域から読み解くこれからの復興・防災・減災の在り方
『大和総研調査季報』 2021年新春号(Vol.41)掲載
-
2021年01月14日
共通点が多い「コロナ対策」と「脱炭素政策」
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く