サマリー
◆9月日銀短観では、企業の業況感のモメンタムがやや弱く、国内景気が「踊り場」局面にあるという当社の見方をサポートする結果が示された。ただし、非製造業を中心に概ね事前の想定内の結果であり、かつ業況判断DIが高水準にあることから、現時点で、景気が腰折れするといった過度な懸念は不要だと考えている。
◆大企業製造業の「業況判断DI(最近)」は+19%ptと前回(+21%pt)から悪化し、市場コンセンサス(+21%pt)を下回った。大企業製造業の悪化は3四半期連続である。大企業非製造業の「業況判断DI(最近)」は+22%ptと前回調査(+24%pt)から悪化し、市場コンセンサス(+23%pt)を小幅に下回った。
◆全規模全産業の2018年度の「設備投資計画(含む土地、含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)」は、前年度比+8.5%と増加する計画であり、市場コンセンサス(同+9.5%)を下回った。9月時点の設備投資計画としては、2006年度計画(前年度比+8.3%)を上回り、伸び率は比較可能な2004年度以降で最も高い。
◆全規模の雇用人員判断DI(最近)は、製造業と非製造業のいずれも低下(需給の引き締まり)し、依然として大幅なマイナス圏での推移となっており、企業の人手不足感は強い。先行きについては、製造業と非製造業がともに低下(需給の引き締まり)しており、とりわけ、非製造業の先行きの低下幅(▲4%pt)が大きい。非製造業を中心に、今後も労働需給のタイト化が一段と進む見込みだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
「責任ある積極財政」下で進む長期金利上昇・円安の背景と財政・金融政策への示唆
「低水準の政策金利見通し」「供給制約下での財政拡張」が円安促進
2025年12月11日
-
2025年12月日銀短観予想
輸出不振や原材料高で製造業の業況判断DI(最近)は悪化を見込む
2025年12月10日
-
2025年7-9月期GDP(2次速報)
設備投資などが減少し、実質GDPは前期比年率▲2.3%に下方修正
2025年12月08日
最新のレポート・コラム
-
中国:来年も消費拡大を最優先だが前途多難
さらに強化した積極的な財政政策・適度に緩和的な金融政策を継続
2025年12月12日
-
「責任ある積極財政」下で進む長期金利上昇・円安の背景と財政・金融政策への示唆
「低水準の政策金利見通し」「供給制約下での財政拡張」が円安促進
2025年12月11日
-
FOMC 3会合連続で0.25%の利下げを決定
2026年は合計0.25%ptの利下げ予想も、不確定要素は多い
2025年12月11日
-
大和のクリプトナビ No.5 2025年10月以降のビットコイン急落の背景
ピークから最大35%下落。相場を支えた主体の買い鈍化等が背景か
2025年12月10日
-
12月金融政策決定会合の注目点
2025年12月12日
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

