サマリー
◆2018年6月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.8%と18ヶ月連続のプラスとなり、市場コンセンサス(同+0.8%)通りとなった。財・サービス別(4分類)の寄与度の「変化」を見ると、エネルギーを含む「コア非耐久消費財(除く生鮮食品)」が押し上げ、「耐久消費財」「半耐久消費財」「サービス」がほぼ横ばいとなった。
◆先行きの全国コアCPIの前年比は、今春以降のエネルギー価格上昇の影響が徐々に顕在化するなかで、緩やかにプラス幅を拡大する見込みである。すでに、足下で輸入物価(川上)と企業物価(川中)の前年比上昇幅が拡大に転じており、それに追随する格好だ。当面の焦点は、これまでと同様、原油価格と為替レートの推移に加え、食料品、外食、運輸関連で着々と顕在化し始めているコストプッシュ・インフレの進展および実体経済への影響である。
◆7月末の金融政策決定会合後に公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、物価が上がらない理由についての分析が行われることになっている。分析内容次第では、日本銀行の金融政策運営の修正を通じて、消費者物価の先行きにも影響を及ぼす点に留意したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2018年5月全国消費者物価
冴えないCPIの裏で川上・川中物価が反転
2018年06月22日
-
原油高で消費者物価と家計のエネルギー負担額はどうなる?
低所得世帯ほど負担感が大きく、消費者マインドも下押しへ
2017年11月29日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年11月雇用統計
失業者数が減少し、雇用環境の改善が進む
2025年12月26日
-
2025年11月鉱工業生産
自動車の減産などが押し下げ要因/当面の間は軟調な推移を見込む
2025年12月26日
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

