サマリー
◆2017年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt上昇し2.8%となった。失業者数は3ヶ月ぶりに増加、就業者数は2ヶ月ぶりに減少、非労働力人口は横ばいとなった。女性失業者が増加したことによる影響が大きいが、一般的に女性の失業期間が短いこと、自発的な失業が多いことを踏まえると、失業者の増加は一時的なものに留まる可能性が高い。ただし、男女ともに正規雇用者が減少している点には注意が必要だ。
◆この1年で正規雇用者数は男女ともに多くの産業で増加している。男性では、建設、運輸・郵便、医療・福祉といった人手不足産業や製造業を中心に非正規から正規への切り替えが起きている。さらに、それだけではなく、新たに正規雇用者を雇う動きも強い。他方、女性では、引き続き非正規雇用者増加が続いているものの、それを上回る勢いで正規雇用者が増加している産業が多い。
◆2017年12月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.03pt上昇し1.59倍、新規求人倍率(同)も前月から0.05pt上昇し2.42倍となった。有効求人倍率、新規求人倍率はともに歴史的高水準で推移しており、労働需給は非常にタイトな状況にある。また、正社員の有効求人倍率(同)は前月から0.02pt上昇し1.07倍となった。
◆2017年11月の現金給与総額は前年比+0.9%と4ヶ月連続で増加した。内訳を見ると、所定内給与(同+0.3%)、所定外給与(同+1.9%)、特別給与(同+7.9%)の全ての項目で増加した。均してみれば、現金給与総額は非常に緩やかながら増加基調にある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
2025年8月消費統計
サービス消費が強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2025年10月07日
-
財政悪化が日本経済にもたらす影響とリスクの定量評価
成長力強化と財政健全化で将来の財政危機発生リスクの抑制を
2025年10月07日
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日