企業を脅かす人手不足問題
~働き手はどこにいる?~『大和総研調査季報』 2017 年秋季号(Vol.28)掲載
2017年12月01日
サマリー
多くの企業が人手不足を感じており、実際に人手不足が企業経営に影響をもたらしている。企業の多くは残業時間を増やすことで人手不足に対応しているが、その方法は今後導入される「罰則付き時間外労働の上限規制」により難しくなる。そして、企業の人員確保競争はますます激化するだろう。
企業が長期的に成長するためには、人手不足への対応は急務である。本稿では、企業が求める働き手はどこにいるのかを分析した。労働供給の伸びしろは、一定の条件を置いた上で、男性(15~64歳)で43万人、女性(15~64歳)で186万人、高齢者(65歳以上)で33万人が確認されるが、制度面・意識面を含めた改革なしに労働参加は望みにくい。また、パートタイム労働者の1人当たり労働時間は、時給の上昇に反して減少が続いてきたが、配偶者控除の見直しなどを通じて、増加に転じさせることができれば、マクロの労働時間は大幅に増加するだろう。
さらに、企業にとっては、既存の人員をいかに維持・確保するかという観点も重要である。そのためには、「働きやすい環境づくり」や「処遇の改善」などが必要とされる。
大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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