サマリー
◆2015年9月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+7.5%と4ヶ月ぶりの増加となり、市場コンセンサス(同+3.1%)を上回った。一方、内閣府公表の7-9月期見通しでは、民需(船舶・電力を除く)は前期比+0.3%の増加が見込まれていたが、実績は同▲10.0%と見通しを大きく下回る結果となった。
◆9月分のデータに関して、需要者別に受注をみると、製造業は前月比▲5.5%と4ヶ月連続で減少した。大型案件によって押し上げられた5月をピークとした減少基調が継続している。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+14.3%と3ヶ月ぶりに増加し、7月から続いた受注の減少がひとまず一服した。
◆先行きの機械受注は横ばい圏での推移を予想している。9月日銀短観では、大企業全産業の2015年度設備投資計画が過去の修正パターンと比較して上振れした。しかし、過去数ヶ月の機械受注の動向を踏まえると、海外経済の減速に伴う輸出の停滞や生産の伸び悩みなどを背景に、設備投資計画が見送られている可能性がある。今後の海外経済の動向次第では、こうした動きが一段と強まりうる点に留意しておきたい。一方、昨夏より継続する原油安などに伴う企業収益の改善は、企業による設備投資意欲を下支えする要因になるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年3月雇用統計
失業率は上昇するも、求人倍率が上昇するなど雇用環境は悪くない
2025年05月02日
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日