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8月消費統計

個人消費に持ち直しの兆し

2015年10月02日

経済調査部 エコノミスト 久後 翔太郎

小林 俊介

サマリー

◆2015年8月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+2.5%増加した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)も同+1.5%と増加した。サンプル数の少なさゆえの振れにより、ヘッドラインの数値が大きく押し上げられている点は割り引いて評価する必要があるものの、このところ力強さを欠いていた消費支出に底入れの動きがみられる。


◆実質消費支出の動きを費目別にみると、「教育」(前月比+20.6%)、「家具・家事用品」(同+9.4%)、「光熱・水道」(同+3.1%)、「諸雑費」(同+2.5%)、「住居」(同+1.5%)、「被服及び履物」(同+0.3%)への支出が増加した。「教育」に関しては、授業料への支出が急激に増加しているが、サンプルバイアスによる振れの影響と捉えるのが自然であろう。「家具・家事用品」については、8月上旬に気温が例年よりも高く推移したことが「冷暖房器具」への支出の増加に繋がったとみられる。


◆先行きの個人消費は、所得環境の一層の改善を受けて、緩やかな持ち直しへ向かうとみている。個人消費の前提となる賃金の動きを確認すると、一般労働者、パートタイム労働者の双方で上向いている。さらに、年金改定率も上昇に転じたことが、高齢者の個人消費を下支えする見込みである。夏場以降の原油安が燃料費調整制度を通じて引き続き物価を押し下げることが、家計の実質購買力を一層高めるだろう。このように個人消費を取り巻く環境は良好であり、先行きの個人消費を下支えするとみている。

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