サマリー
◆2015年4月の企業関連の指標は、良好な内容であった。鉱工業生産指数は前月比+1.2%と3ヶ月ぶりに増加した。輸出数量指数(大和総研による季節調整値)は前月比▲1.0%と2ヶ月ぶりの低下となった。機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比+3.8%と増加した。
◆2015年4月の家計関連の指標を見ると、個人消費は低調な動きを示し、雇用環境に関してはタイトな状況が続いていることが確認された。実質消費支出は前月比▲5.5%と減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同▲3.5%と減少した。完全失業率(季節調整値)は前月から0.1%pt低下し、3.3%となった。有効求人倍率(季節調整値)は前月から0.02pt上昇し、1.17倍となった。
◆7月1日に公表される日銀短観への注目度が高い。業況判断DIでは非製造業の改善が顕著になるとみている。先日公表された1-3月期法人企業統計では、製造業の利益が減少するなか、非製造業は増加傾向を維持した。このような堅調な収益環境を踏まえると、非製造業の業況感は改善に向かったとみている。また、企業の物価見通しにも注目したい。原油価格の下落を主因に物価上昇ペースが鈍化しているが、これまでのところ家計やエコノミストへのサーベイによる期待インフレ率には大きな影響はみられない。ただし、企業の物価見通しが下方修正されることになると、日本銀行が強調している前向きな価格設定行動に影響が生じる可能性があり、追加緩和の思惑がくすぶることになるだろう。その一方、黒田総裁が円安けん制とも受け取れる発言を行ったことを考慮すると、今後の金融政策では為替レートの変動を制約した状況で物価目標の達成を実現しなければならないというジレンマに陥ってしまうリスクも排除できない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月全国消費者物価
電気・ガス料金支援でエネルギー価格下落、コアCPI上昇率は低下
2026年09月18日
-
日銀、9月会合で1.25%に利上げ 今後も利上げ路線を堅持
家計の利払い負担増は賃金上昇が吸収も利上げ長期化リスクに留意
2026年09月18日
-
2026年8月貿易統計
中東情勢による資源高が続き、4カ月連続の貿易赤字
2026年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

