サマリー
2015年4月に「量的・質的金融緩和」は導入から2年を迎えた。「2年で2%」が合言葉であった同政策にとって重要な節目となる。
本稿では、量的・質的金融緩和の政策効果を検証するとともに、短期的・中長期的な課題について定性的・定量的に評価することを通じて、金融政策運営を展望したい。
短期的な課題としては、物価動向に大きな影響を与える為替レートについて検証した。次に、フィリップス曲線の傾きの変化や期待インフレ率の上昇度合いから、2%の物価目標の実現可能性を考察した。その上で、今後の金融政策の課題としてガイダンスを変更する必要性を指摘した。
中長期的な課題としては、初めに長期金利上昇の可能性を検討した。日本銀行に先立ち出口へ向かっているFedの経験を参考に、出口戦略の過程での長期金利の上昇を抑える手段について考察した。次に、有力な出口戦略の手段として期待されている付利の引き上げに関して、その定量的なコスト試算と付随的に発生する金融市場を混乱させる要因についてまとめた。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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