サマリー
◆2014年11月の乗用車販売台数(軽自動車を含む、商用車等を除く)は前年比▲10.2%と、10月(同▲7.4%)から減少幅が拡大し、前年比マイナスは5ヶ月連続となった。ただし、前年は消費税率引き上げ前の駆け込み需要が顕在化し始めていた時期であり、その裏の影響によってマイナス幅が大きくなっている点には留意が必要だ。乗用車販売の基調を捉えるために季節調整値(大和総研による試算値)を確認すると、11月は前月比+5.1%と2ヶ月ぶりに増加した。均してみると、乗用車販売は、持ち直しの動きが継続していると評価できる。
◆百貨店大手4社の月次速報の結果を基に推計すると、11月の百貨店売上高(全国)は既存店ベースで前年比▲0.0%(大和総研による試算値)と前年並みの水準になった模様だ。季節調整値(全店ベース、1店舗当たり)では、前月比+3.5%(大和総研による試算値)となり、台風の影響で減少した10月と均してみると、百貨店売上高は概ね横ばいで推移していると評価できる。
◆スーパー販売は、消費税率引き上げ後の反動減からすでに持ち直しており、11月の東大日次売上高指数の前年比もゼロ近傍で推移した。当社では、スーパー販売は引き続き底堅い状況にあると判断しているものの、前年比がプラス圏になかなか浮上してこない点には留意が必要だと考えている。
◆家計消費支出のうち「株式売買手数料」の代理変数である株式売買代金(全国)は、11月に季節調整済み前月比+21.8%(大和総研による試算値)と大幅に増加し、4ヶ月連続の増加になった模様。今回の結果を踏まえると、10-12月の家計消費支出(GDPベース)に対する株式売買代金の押し上げ寄与は、前期より大幅に拡大する公算である。また、11月の日経平均株価は、日本銀行の追加緩和を受けて月半ばまで上昇傾向が続き、その後も高水準での推移となった。当面の焦点は、株価上昇を受けて、足下で弱含んでいる消費者マインドが改善に向かうか否かであろう。
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