サマリー
◆2014年7月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲0.2%と減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同▲0.8%の減少であった。
◆供給側から個人消費動向を捉えた商業販売統計を見ると、7月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比▲0.5%と3ヶ月ぶりに減少した。業種別に内訳を見ると、「各種商品小売業」(前月比▲3.7%)、「織物・衣服・身の回り品小売業」(同▲0.8%)などが減少する一方、「自動車小売業」(同+1.4%)、「その他小売業」(同+0.8%)などは増加した。
◆先行きについては、個人消費は緩やかな回復へ向かうとみている。耐久消費財については依然反動減の影響がみられ、回復には時間を要するだろうが、非耐久消費財や半耐久消費財では反動減の影響が剥落することで、個人消費を下支えすると考える。加えて、個人消費の前提となる賃金の動きをみると、一般労働者、パートタイム労働者の双方で上向きの動きが見られており、所得環境の改善が消費税率引き上げによる実質所得減少の影響を一部緩和している点は明るい材料である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月貿易統計
輸出金額は7カ月連続の増加も、先行きの不透明感は継続
2025年05月21日
-
経済指標の要点(4/16~5/19発表統計分)
2025年05月19日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)
民需は増加するも、純輸出の減少などで4四半期ぶりのマイナス成長
2025年05月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日