サマリー
◆3月の企業関連の指標は、消費税増税後の極端な下振れが回避されることを示唆する内容であった。鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比+0.7%と2ヶ月ぶりの上昇となった。輸出数量指数(内閣府による季節調整値)は同▲3.6%と2ヶ月ぶりの低下となった。機械受注(船舶・電力を除く民需)(季節調整値)は、同+19.1%と2ヶ月ぶりに増加した。製造工業生産予測調査では、4月に生産が減少するものの、5月にはわずかながら増加する見通しとなっている。機械受注の4-6月期見通しも、小幅な増加が見込まれており、企業関連指標は、消費税増税後も堅調な推移が予想される。
◆3月の家計関連の指標は、雇用環境で回復が続き、個人消費では消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響が大きく見られた。実質消費支出(除く住居等)は季節調整済み前月比+9.9%と大幅に増加した。完全失業率(季節調整値)は3.6%となり、前月と同水準であった。有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍と前月から0.02pt上昇した。現金給与総額は、前年比+0.7%と3ヶ月ぶりに上昇した。先行きは、労働需給のタイト化が賃金上昇をもたらす見込みである。所得環境が改善に向かうことで、個人消費も消費税増税後の反動減から緩やかに増加基調に復するとみている。
◆4月の個人消費関連統計は、反動減からの回復ペースを測る上で重要になると考えている。商業販売統計(5月29日公表)や家計調査(5月30日公表)は、マクロ統計として4月の個人消費の動きを確認できる最初の統計であり、反動減の規模を見極める上で重要だ。また、4月の現金給与総額(6月3日公表)や5月の消費者態度指数(6月9日公表)からは、個人消費が持ち直すためのカギとなる所得環境や消費者マインドの改善度合いを確かめることができるため、注視が必要となろう。駆け込み需要からの反動減がどの程度の大きさになるか、どの程度の期間継続するかを測るためにも、当面家計関連統計からは目が離せない時期が続く。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 高市政権の成長戦略、骨太の方針で実質賃金は本当に増加するのか?
①時間あたり労働生産性の引き上げ、②1人あたり労働時間の増加、の2点が1人あたり実質賃金の増加に向けたカギ
2026年06月25日
-
生成AIシミュレーションと金融経済分析
応用研究事例から考えるメリットと注意すべき特性や課題
2026年06月23日
-
2026年5月全国消費者物価
エネルギーのマイナス幅縮小も、食料等の非耐久財の伸び率は縮小
2026年06月19日
最新のレポート・コラム
-
米国:AI活用は続くが、「選別」も本格化へ
「選別」は過剰投資を抑制も、信用リスク・資産価格への波及に注意
2026年06月25日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 高市政権の成長戦略、骨太の方針で実質賃金は本当に増加するのか?
①時間あたり労働生産性の引き上げ、②1人あたり労働時間の増加、の2点が1人あたり実質賃金の増加に向けたカギ
2026年06月25日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第2部/全3部)
欧州4カ国と日本のデジタルID基盤・ウォレット構築の比較
2026年06月25日
-
主要国経済Outlook 2026年7月号(No.476)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年06月24日
-
米国:AIが変える人材需要—中堅・シニア優位も、その持続性は「?」
2026年06月24日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

