サマリー
日本経済においては、1990年代後半以降、賃金の低迷が続いている。
実質賃金の低迷には、企業の収益性が消費者物価との対比で低下し続けたことが大きく影響している。名目賃金の低迷は、後払い的な要素のある賃金決定慣行と、賃金上昇を販売価格に転嫁しにくいと考える日本の企業風土が影響している。
実質賃金の低下は、個人消費を中心とする実体経済低迷の要因となり、名目賃金の低下はデフレスパイラルを招くことになった。個人消費の増加に向けた賃金上昇のためには、実質賃金の増加を目指すべきだ。一方、名目賃金の上昇に向けては、企業が先陣を切って賃金を上昇させていくような姿勢が必要である。
2014年4月には、一部の企業でベースアップが行われる見込みであり、賃金上昇に向けてよい兆しが見え始めている。こうした動きが継続的に行われるためには、企業のみならず、政治や家計にも一定の役割が求められている。「失われた20 年」から脱却するためにも、今こそ社会構造の変革を起こさねばならない。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月貿易統計
中東情勢による資源高が続き、4カ月連続の貿易赤字
2026年09月16日
-
2026年7月機械受注
製造業・非製造業(船電除く)のいずれも減少し、軟調な結果に
2026年09月16日
-
経済指標の要点(8/19~9/15発表統計)
2026年09月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

