12月貿易統計

輸出数量は3ヶ月ぶりに前月比減少、2013年は過去最大の貿易赤字に

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2014年01月27日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆2013年12月の貿易統計は、輸出金額が前年比+15.3%と10ヶ月連続の増加となったものの、市場コンセンサス(同+18.0%)を下回った。輸出金額を価格と数量に分けて見ると、輸出価格が前年比+12.4%と、大幅な上昇が続いていることに加え、輸出数量が前年比+2.6%と3ヶ月連続で前年を上回ったことが輸出金額を押し上げた。輸出金額を季節調整値で見ると、前月比+1.7%と3ヶ月連続の増加となった。


◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比▲1.2%と、3ヶ月ぶりの低下となった。地域別に見ると、EU向けは同+8.9%と大幅に増加したものの、米国向け(同▲5.8%)、アジア向け(同▲2.0%)が減少したことで、全体が押し下げられた形。


◆先行きに関しては、輸出数量は全地域向けで持ち直しの動きが続く見込みである。巷間では円安によるJカーブ効果の影響が弱まっているなどの意見も聞かれるが、過去の円安局面を見ても、貿易収支黒字幅が拡大に向かうには、時間を要していたことがわかる。輸出数量の持ち直しが続くことによって、Jカーブ効果による貿易収支赤字幅の縮小も徐々に本格化するとみている。2014年半ば以降、貿易収支の赤字幅は縮小に向かう可能性が高い。

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