サマリー
◆2013年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.9%(前期比+0.5%)と4四半期連続のプラス成長となり、市場コンセンサス(前期比年率+1.7%、前期比+0.4%)をわずかに上回った。各需要項目とも概ね事前予想に沿った内容となったが、民間在庫品増加の寄与が前期比+0.4%ptと大きかったことが、市場予想から上振れした主な要因となった。
◆内・外需別に寄与度を見ると、内需寄与度が前期比+0.9%ptと4四半期連続のプラス寄与となる一方で、輸出の減少により外需寄与度が同▲0.5%ptと3四半期ぶりのマイナス寄与に転じており、外需の減少が成長率鈍化の要因となった。
◆先行きの日本経済に関して、10-12月期以降もGDPは増加傾向が続くと見込んでいる。これまで景気を牽引してきた個人消費は、所得環境の改善によって増加が続く見込みである。加えて、個人消費は2014年4月に控える消費税増税に向けた駆け込み需要によって、年度末に向けて加速する公算が大きく、成長率を大きく押し上げる見込みである。また、今回減少に転じた輸出に関しても、ここまでの円安による競争力の向上と、米国を中心とした海外経済の拡大によって、再び増加傾向に復すると見込んでいる。輸出の増加と堅調な内需により企業収益は改善が続く見込みであり、設備投資も増加が続くと予想している。一方、公共投資については、高水準での推移が続くと見込んでいるものの、足下の水準をピークに、今後は緩やかに減少していくとみられ、GDP成長率を押し上げる効果は剥落していく可能性が高い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日