9月消費者物価

コアコアCPIは2008年12月以来のマイナス脱却

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2013年10月25日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年9月の全国CPI(除く生鮮食品)は前年比+0.7%と、市場コンセンサス(同+0.7%)通りの結果となった。上昇幅は前月から縮小したが、これはエネルギーの寄与(コアCPIに対する寄与度、8月:同+0.81%pt→9月:同+0.67%pt)が縮小したことが主な要因。前年の裏の影響で「灯油」、「ガソリン」の上昇幅が前月から縮小した。


◆市況要因を除いた物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合」は、前年比0.0%となり、2008年12月以来のマイナス圏からの脱却となった。


◆2013年10月の東京都区部コアCPIは前年比+0.3%と、6ヶ月連続の上昇となり、上昇幅は前月から拡大した。上昇幅拡大の主な要因は、「傷害保険料」の上昇によってサービスの寄与が拡大したこと。東京都区部コアCPIを踏まえると、2013年10月の全国コアCPIは前年比+0.8%となる見込み。


◆先行きについては、コアCPIは前年比+1%程度の上昇が続くとみられる。これまでコアCPIを押し上げてきたエネルギーに関しては、円安を背景とした輸入価格上昇による押し上げが徐々に剥落していくこととなるため、年末をピークに寄与が縮小していく見込みである。一方、エネルギー以外の物価に関しては、景気回復によるGDPギャップの改善に沿う形で、緩やかに上昇幅が拡大していく公算が大きい。また、このところ食品等でみられている原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きは、今後も続くとみられ、コアCPIの押し上げに作用する見込みである。

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