経済指標の要点(9/19~10/18発表統計分)

RSS

2013年10月18日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 久後 翔太郎
  • 齋藤 勉
  • 田中 豪

サマリー

◆2013年8月の企業関連の指標は、企業部門の改善が継続していることを確認させる内容であった。鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比▲0.9%と2ヶ月ぶりの低下となった。輸出数量指数(内閣府による季節調整値)は、前月比+0.5%と2ヶ月連続で上昇した。機械受注(船舶・電力を除く民需)(季節調整値)は、前月比+5.4%と3ヶ月ぶりに増加した。企業関連の指標の先行きは、堅調な外部環境に支えられて、改善傾向が続くとみている。


◆2013年8月の家計関連の指標は、基調としては改善が続くものの、一時的に弱含みとなった。完全失業率(季節調整値)は、4.1%となり、前月から0.3%pt上昇した。有効求人倍率(季節調整値)は0.95倍となり、前月から0.01pt上昇した。実質消費支出は季節調整値で見ると前月比▲0.5%と2 ヶ月ぶりの減少、振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)では、同+0.1%と3 ヶ月ぶりの増加となった。家計関連の指標の先行きは、企業部門の回復が所得・雇用に波及することで、堅調な推移が続くとみている。


◆11月14日に公表される7-9月期GDP一次速報は、4四半期連続の成長が見込まれるものの、成長率は4-6月期と比べて鈍化する可能性が高い。足下で個人消費や輸出が減速傾向にあることが主因である。ただし、個人消費が減速しても、経済対策によって公共投資が増加する見込みであることに加え、円安などを背景とする企業収益の改善が、徐々に設備投資の増加に波及している。また、4-6月期に減少した住宅投資についても増加に転じる見込みであり、経済を下支えするだろう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。