8月鉱工業生産

生産は増勢鈍化も、先行きの生産計画は強気

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2013年09月30日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年8月の生産指数は、前月比▲0.7%と2ヶ月ぶりの低下となり、市場コンセンサス(同▲0.3%)を下回った。3ヶ月移動平均値で見ても、2ヶ月ぶりの低下となり、生産の増勢は鈍化している。出荷指数は前月比+0.4%と2ヶ月連続の上昇となり、在庫指数は同▲0.1%と3ヶ月ぶりの低下となった。


◆8月の生産を業種別に見ると、前月から上昇した業種が7業種、低下が7業種、横ばいが1業種となっており、一進一退の結果となった。低下した業種に関して見ると、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業、輸送機械工業の低下が生産全体を押し下げた。


◆製造工業生産予測調査によると、2013年9月の生産計画は前月比+5.2%、10月は同+2.5%となった。このところ実現率はマイナス圏での推移が続いていることから、製造工業生産予測調査については割り引いて見る必要があるが、生産は今後増勢を強める計画となっている。


◆先行きに関して、生産は今後も増加基調が続くと見込んでいる。生産が安定的に増加するかどうかは、輸出数量の増加がカギとなる。新興国経済の減速等から、輸出数量の増勢はこのところ鈍化しているものの、米国の景気拡大や円安の効果によって今後も増加傾向が続くとみられ、生産を牽引する見込み。さらに、2012年度補正予算による公共投資の増加や、2014年4月に予定される消費税増税前の駆け込み需要によって、内需は年度末にかけて加速し、生産を押し上げる公算が大きい。

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