2月消費者物価

特殊要因でマイナス幅拡大

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2013年03月29日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年2月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は、前年比▲0.3%と下落幅が前月(同▲0.2%)から拡大したものの、市場コンセンサス(同▲0.4%)から若干上振れした。下落幅拡大の主な要因は、昨年2月の基本銘柄変更に伴って押し上げ要因となってきた「テレビ」の影響が剥落したこと。特殊要因による押し下げを割り引けば、コアCPIの下落幅は縮小している。


◆ただし、エネルギーの上昇が継続的にコアCPIを押し上げる構造が続いており、市況要因を除いた物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合、以下コアコアCPI」は前年比▲0.9%と、依然マイナス圏での推移が続いている。緩やかなデフレ傾向が続いている状況に大きな変化はない。


◆全国コアCPIの先行きは、徐々に低下幅を縮小させていく見込みである。エネルギーに関しては、円安による輸入価格の上昇が即時に販売価格に転嫁されるため、当面CPIの押し上げに作用するとみられる。また、4月に小麦の政府売り渡し価格が引き上げられるように、輸入価格の上昇を受けて、化学製品や鉄鋼等、粗原材料の多くで、春先以降値上げの動きが広がる見込みであるが、川上の素材価格の上昇は即座に最終製品に転嫁されるわけではなく、需給との見合いで価格転嫁されることとなる。GDPギャップは景気拡大に伴って徐々に改善していく見込みであるため、エネルギー以外の物価もラグを伴いつつ基調的に下落幅を縮小していく公算が大きい。コアCPIは2013年半ば頃には前年比プラスになると大和総研では予想している。

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