サマリー
◆2013年2月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は、前年比▲0.3%と下落幅が前月(同▲0.2%)から拡大したものの、市場コンセンサス(同▲0.4%)から若干上振れした。下落幅拡大の主な要因は、昨年2月の基本銘柄変更に伴って押し上げ要因となってきた「テレビ」の影響が剥落したこと。特殊要因による押し下げを割り引けば、コアCPIの下落幅は縮小している。
◆ただし、エネルギーの上昇が継続的にコアCPIを押し上げる構造が続いており、市況要因を除いた物価動向を表す「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合、以下コアコアCPI」は前年比▲0.9%と、依然マイナス圏での推移が続いている。緩やかなデフレ傾向が続いている状況に大きな変化はない。
◆全国コアCPIの先行きは、徐々に低下幅を縮小させていく見込みである。エネルギーに関しては、円安による輸入価格の上昇が即時に販売価格に転嫁されるため、当面CPIの押し上げに作用するとみられる。また、4月に小麦の政府売り渡し価格が引き上げられるように、輸入価格の上昇を受けて、化学製品や鉄鋼等、粗原材料の多くで、春先以降値上げの動きが広がる見込みであるが、川上の素材価格の上昇は即座に最終製品に転嫁されるわけではなく、需給との見合いで価格転嫁されることとなる。GDPギャップは景気拡大に伴って徐々に改善していく見込みであるため、エネルギー以外の物価もラグを伴いつつ基調的に下落幅を縮小していく公算が大きい。コアCPIは2013年半ば頃には前年比プラスになると大和総研では予想している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年1-3月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+3.3%を予想~
設備投資は減少も、個人消費と輸出に支えられ2四半期連続のプラス
2026年04月30日
-
2026年3月鉱工業生産
無機・有機化学工業などが減産、中東緊迫化の影響が表れ始めた
2026年04月30日
-
2026年3月雇用統計
失業率は2.7%と2カ月ぶりに上昇
2026年04月28日
最新のレポート・コラム
-
1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速
かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞
2026年05月01日
-
米GDP 前期比年率+2.0%と加速
2026年1-3月期米GDP:AI関連投資がけん引
2026年05月01日
-
令和8年金商法等改正法案 スタートアップ企業への資金供給の促進に関する改正案
有価証券届出書の提出免除基準の引き上げや特定投資家私募の対象拡大
2026年04月30日
-
令和8年金商法等改正法案 サステナビリティ情報の開示・保証に関する改正案
セーフハーバー・ルールや第三者保証に関する規定を整備
2026年04月30日
-
内部留保課税は資本市場にとって「善」か「悪」か
2026年05月01日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

