サマリー
◆2012年11月の完全失業率(季節調整値)は4.1%となり、前月から0.1%pt改善した。今回の失業率の低下は非労働力人口の増加が主たる要因である。よって、失業率は低下したものの、その内容は必ずしも良くない。有効求人倍率は0.80倍となり前月と同水準であった。今回の雇用関連統計を総じて見ると、非労働力人口の増加という懸念材料はあるものの、新規求人数は2ヶ月連続の増加、有効求人数は5ヶ月ぶりに増加に転じるなど、明るい兆しが見え始めている。
◆就業者数(季節調整値)は、前月差▲9万人と3ヶ月ぶりの減少となった。就業者数(季節調整値)を業種別に見ると、製造業での就業者の減少が目立つ。製造業の就業者数は、前月差▲13万人と、2ヶ月ぶりに減少した。
◆12月日銀短観によると、雇用判断DI(全規模)は製造業と非製造業で対照的な結果となった。製造業(全規模)の雇用判断DIは12%ptとなった。前回調査から2pt上昇しており、製造業の人員過剰感が強まっている。非製造業(全規模)の雇用判断DIは▲7%ptとなり、人員不足感が強まっている。非製造業が雇用を下支えする構造が続くと考えられる。
◆生産が回復してくれば、製造業での雇用調整圧力は減少することから、雇用環境は徐々に回復傾向となると見込まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
日本が取り組むべきは「現役期」の格差是正
給付付き税額控除と所得税改革などで貧困層を支えよ
2025年08月25日
-
2025年7月全国消費者物価
単月で見れば弱めの結果も上昇基調は引き続き強い
2025年08月22日
-
2025年7月貿易統計
トランプ関税や半導体関連財の需要一服で輸出金額は3カ月連続の減少
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日