8月消費統計

一時的に改善も、先行きは低調な推移が見込まれる

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2012年09月28日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆個人消費は一時的に改善:2012年8月の家計調査によると、実質消費支出は前年比+1.8%と7ヶ月連続のプラスとなった。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、季節調整済み前月比+3.0%と4ヶ月ぶりの増加となった。8月は全国的に気温の高い日が多く、猛暑効果が表れたこと、消費者マインドが改善したことなどから、このところ弱含んでいた消費は一時的に改善した格好だ。ただし、前月からの反動増などを考慮すれば、増加幅に関しては割り引いて見る必要があると考えている。

◆先行きは低調な推移を見込む:海外経済の弱含みを受けて、輸出や生産は足踏み状態にあり、企業部門では減速感が見られる。自動車の反動減に伴う消費の減少は一定程度で留まるとみているが、企業部門の減速が所得環境の下押しにつながれば、それ以上に消費の下押し圧力となるため、生産の本格的な回復が見込まれる年明けまで、消費は低調な推移が続くだろう。

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