6月機械受注~民需の回復は緩慢

4-6月期は2四半期ぶりのマイナス

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2012年08月09日

サマリー

【概況】一時的な弱含みの兆候:6月の機械受注統計は、前月からの反動で内需が増加した一方で、欧州財政問題が足枷となっている外需が落ち込んだ。国内の機械設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+5.6%と市場コンセンサス(同+12.0%)を下回った。4-6月期の実績値は、前期比で▲4.1%と2四半期ぶりのマイナスとなった。基調として一時的な弱含みの兆候が見られ、民需の回復は、想定していた以上に緩慢なものとなる可能性が高い。

【受注の主要内訳】製造業は素材産業を中心に落ち込む:需要者別では、製造業が前月比▲2.9%、非製造業(船舶・電力を除く)は同+2.6%と若干弱い。円高や海外経済の減速から、このところ製造業が弱含んで推移している。製造業の中でも、特に素材産業の落ち込みが目立つ。他方、加工産業は堅調な推移となっている。

【今後の見通し】7-9月期予想は前期比▲1.2%と弱い:概ね企業の設備過剰感は和らいでいるが、海外経済の減速が、企業の設備投資に対する姿勢を弱めている要因のようだ。足下では、輸出産業が特に下押し要因となっているわけではないため、米国や新興国向けが中心となり輸出が徐々に持ち直していけば、今後も同産業が設備投資の回復へ寄与していくものと考えている。

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