サマリー
◆【概況】民需は回復基調も、外需に不安は残る:4月の機械受注統計は、欧州財政問題の影響で外需に不安は残るものの、総じて回復を確認できる内容であった。国内の機械設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比+5.7%と前月からの反動で伸び、市場コンセンサス(同+1.6%)を上回った。
◆【受注の主要内訳】製造業・非製造業ともに増加: 需要者別では、製造業が前月比+3.4%、非製造業も前月比+5.7%と前月からの反動で伸びた。ただし、これまで好調に推移していた「自動車・同付属品」は、夏頃に見込まれるエコカー補助金打ち切りを見据えて大きく減少し、前月比で大きく落ち込んでいる。外需は、前月比+0.3%とプラスとなったが、水準でみると依然弱い。
◆【今後の見通し】設備投資は回復へ: 今後は、復需要のほか、夏季の電力不足に備えた、製造業による節電投資を背景に、設備投資は回復軌道を辿るだろう。ただし足下では、欧州財政問題を背景とした、EU向け輸出の減少による新興国経済の減速が懸念される。この影響により、企業の設備投資を控える姿勢が強まる可能性には引き続き注意が必要だ。また、エコカー補助金打ち切りに先立ち、「自動車・同付属品」の設備投資に引き続き反動減が予想される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
-
2025年11月全国消費者物価
エネルギー価格の伸び率拡大を食料品価格などの伸び率鈍化が相殺
2025年12月19日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

