サマリー
◆企業関連の指標は、堅調な内容であった。鉱工業生産指数は前月比▲1.6%と3ヶ月ぶりのマイナスとなったが、出荷指数や在庫指数は改善している。輸出金額は、前年比▲2.7%と5ヶ月連続でのマイナスとなったものの、米国向け輸出が好調であったなどの理由から、市場予想を大きく上回った。機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+4.8%と2ヶ月連続でのプラスとなった。大型受注の影響があるものの、設備投資には回復の兆候が見られる。海外経済は不安定な情勢が続くが、エコカー補助金や復興需要などに支えられて、企業関連指標は持ち直していくとみられる。
◆家計関連の指標は雇用・所得・消費環境に緩やかに持ち直しの兆しが見られる内容であった。消費は前年比+2.3%と2ヶ月ぶりのプラスとなった。消費支出(除く住居等)の季節調整値で見ても、前月比+1.5%と3ヶ月連続で増加している。失業率は前月から0.1%pt改善し、有効求人倍率も前月から0.02pt改善した。現金給与総額、所定内給与はともに前年比+0.7%のプラスとなった。先行きは、海外経済の環境の改善や復興需要の本格化など、外部環境の好影響から、企業業績の改善を通じて雇用・所得・消費環境はゆるやかに持ち直していくとみられる。
◆今後発表される統計では、5月17日に公表される2012年1-3月期GDP一次速報に注目したい。個人消費はこのところ底堅く推移しており、復興需要は2012年から本格化するとみられている。設備投資にも回復の兆しが見えてきており、全体としてポジティブな結果となることが見込まれ
る。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日