1月CPI~特殊要因により下落幅縮小

調査対象銘柄の変更で上振れたが、物価の基調は引き続き弱い

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2012年03月02日

サマリー

特殊要因を除くと、物価の基調は引き続き弱い:2012年1月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.1%となり、コンセンサスを上回る結果となった。この背景には、小売物価統計調査の対象基本銘柄の変更により、ルームエアコン価格が急上昇した点が指摘できる。従って、今回の結果は割り引いてみる必要がある。ルームエアコンの押し上げ効果を割り引いて計算すると、1月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.2%となり、コンセンサス並みであろう。

今後の見通し:東京都区部の動きから、2月の全国コアCPIは前年比▲0.1%程度になると予想している。イラン情勢緊迫化の影響で、原油価格が上昇していることから、前年比でみたエネルギー関連価格の押し上げ幅は、想定していたよりも大きくなると考えている。ただし、原油価格上昇の影響は、円高効果により小幅なものに留まるだろう。他方、価格の上昇余地が残されていると当初予想していた、小麦に関しては、今後弱含む可能性が高い。

マクロ需給改善に時間を要している:基調としては、マクロ需給改善に時間を要していることから、物価は緩やかな下落基調が続くと考えられる。金融政策に関しては、少なくとも、2014年度いっぱい政策金利が据え置かれるとみている。

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