サマリー
◆特殊要因を除くと、物価の基調は引き続き弱い:2012年1月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.1%となり、コンセンサスを上回る結果となった。この背景には、小売物価統計調査の対象基本銘柄の変更により、ルームエアコン価格が急上昇した点が指摘できる。従って、今回の結果は割り引いてみる必要がある。ルームエアコンの押し上げ効果を割り引いて計算すると、1月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比▲0.2%となり、コンセンサス並みであろう。
◆今後の見通し:東京都区部の動きから、2月の全国コアCPIは前年比▲0.1%程度になると予想している。イラン情勢緊迫化の影響で、原油価格が上昇していることから、前年比でみたエネルギー関連価格の押し上げ幅は、想定していたよりも大きくなると考えている。ただし、原油価格上昇の影響は、円高効果により小幅なものに留まるだろう。他方、価格の上昇余地が残されていると当初予想していた、小麦に関しては、今後弱含む可能性が高い。
◆マクロ需給改善に時間を要している:基調としては、マクロ需給改善に時間を要していることから、物価は緩やかな下落基調が続くと考えられる。金融政策に関しては、少なくとも、2014年度いっぱい政策金利が据え置かれるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日