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11月機械受注~3ヶ月ぶりのプラス

輸出産業の増加が背景にあるが、反動増を考慮して割り引いて見る必要がある

2012年01月16日

経済調査部 エコノミスト 増川 智咲

金融調査部 主任研究員 長内 智

サマリー

【概況】3ヶ月ぶりのプラス:11月の機械受注統計は、輸出産業の増加が全体を押し上げ、見通し達成の確度も高まったことから、総じて見ればポジティブな結果となった。国内の機械設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)も、前月比+4.8%と3ヶ月ぶりのプラスとなり、市場コンセンサス(同+5.1%)を大きく上回った。ただし、3ヶ月移動平均値ベースでは前月比▲0.7%と3ヶ月連続マイナスとなっている。今回の結果は前月からの反動増による影響が大きいため、幾分割り引いて見る必要もあるだろう。

【受注の主要内訳】製造・非製造ともにプラス:需要者別では、製造業が前月比+4.7%、非製造業(船舶・電力を除く)は同+6.2%となり、両者とも高い伸びとなった。増加が目立つのは、「情報通信機械」、「精密機械」である。これは、タイで起きた洪水が、国内での代替生産を促した影響が一部考えられる。ただし、前月からの反動による影響が大きい可能性もあるため、引き続き注視が必要である。弱含み傾向が続いていた外需に関しては、前月比で高い伸び率となり、全体の押し上げに寄与した。しかし今後、外需に関しては、海外経済減速の影響で鈍化する可能性も否定できないため、来月以降も注視したい。

【今後の見通し】海外経済の減速が重石:今後は、中期的に、後ズレしている復興需要に下支えされることで、民需は回復基調を辿ると考えられるが、海外経済の減速が重石となり、回復は緩やかなものとなるだろう。企業は先行きの業況判断において慎重な見方を示しており、設備過剰感が減退する中でも、企業が設備投資を控える可能性が高まっている。この背景には、欧州財政危機や新興国の景況感悪化などの海外経済減速による要因が大きいだろう。民需(船舶・電力を除く)に先行するOECDの景気先行指数も、前年比で鈍化傾向にあることから、短期的に民需が弱含むリスクを抱えていよう。

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