サマリー
◆依然として、欧州の多くの国で行動制限措置が実施されているが、一部の国では新型コロナウイルスの新規感染者の増加ペースが再び加速し、規制内容を強化したり、期間を延長したりすることを余儀なくされている。なかなか緩和方向に舵を取れない一進一退の状況が続いている。対照的に、英国では新規感染者の増加ペースを抑制することに成功し、厳格なロックダウンをスケジュール通りに緩和している。
◆経済正常化を担保するカギになると考えられているのがワクチン接種であり、英国では、接種完了者が1,000万人を超えている。遅れていたEUにおいても接種ペースはやや加速しているが、副反応への懸念が浮上し、接種加速に水を差している。夏の終わりまでに成人7割の接種を完了するというEUの目標達成は不透明である。
◆ワクチン接種の着実な進展を受けて、タイミングは多少後ずれするとしても、今後、景気が加速していくという従来のシナリオは維持されている。成長が加速する際に、牽引役として個人消費の動向が注目される。コロナ禍で積み上がった過剰貯蓄は年間消費額の1割弱に相当する規模とみられ、支出に回るタイミングやその勢いが成長を左右するだろう。もっとも、欧州と米国では、過剰貯蓄の形成要因がやや異なることから、過大な期待は禁物である。
◆先行きのプラス要素とマイナス要素が交錯する状況下では、それぞれの不確実性が解消されるまで、現状の財政・金融政策のサポートが肝要となるだろう。
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