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合意なき離脱と大量失業の懸念が続く英国

コロナ危機の対応に追われる中、離脱の代償は英国企業の重荷に?

2020年07月31日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆2020年7月21日より3日間にわたりロンドンで行われたEUとの将来的な関係性を巡る協定交渉は、膠着打開において、非常に重要な意味を持つと一時はみられていた。しかし、結局のところほとんど進展がないまま終了している。EU高官は協議が堂々巡りになっているとの不満を示し、英国首相官邸は多くの重要事項に関し依然として著しい相違が残っていることを示唆するなど収束する気配が見えない。

◆英国政府は、EUとの将来的な関係性を巡る協定交渉開始以来、金融サービスにかかる同等性評価を求めるという姿勢を貫いてきた。しかし、直近の言動からは、同等性獲得よりも、EU規制からの乖離によるメリットを選ぶという政府方針が示唆されており、英国の金融サービス企業には離脱後、EU市場へのアクセスに関し、規制遵守コストが増大する可能性が高まっている。

◆スナーク財務相は7月8日に議会で経済刺激策の概要を発表した。財務相が発表したこれらすべての施策は財源が問題であり、ジョンソン首相が先立って発表したインフラ事業パッケージの56億ポンドを含めると総額で最大約300億ポンドに達する。これら経済刺激策の財源については、秋の予算で明らかにされるものとみられるが、増税や政府借り入れの増大が予想されている。ただ、大量失業発生の社会的損失を吸収するには大型の経済対策が必要と財務省は判断したとみられている。ここ数カ月、英国政府の介入措置は大掛かりで費用のかかるものが続いているが、共通したテーマは大量失業発生の回避である。

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