サマリー
◆新型コロナウイルスによるロックダウン措置から通常生活に完全復帰するには、安全かつ効果的な治療法とワクチンの開発が必須となる。2桁を超す種類の既存薬が臨床試験中だが、特効薬になる可能性は低いとみられている。リソースをつぎ込み、治験や規制上の手続きを迅速に進めたとしても、新薬やワクチンの開発には12ヵ月~18ヵ月はかかる。4月22日の定例会見で英国のラーブ外務相は年内に通常の社会生活に復帰する可能性は非常に低いとし、何かしらの制限措置が少なくとも年末まで継続される見通しを明らかにしている。
◆ロックダウンにより、甚大な被害にあった欧州諸国の多くは休業補償スキームを導入しており、その支払いを順次スタートしている。英国政府は4月20日から、新型コロナウイルスで一時帰休の従業員の給与を最大8割給付する、コロナウイルス雇用定着スキームの申請受付を開始した。その他諸国の休業補償も一時帰休前の給与の6割~8割を補償する手厚い内容が目立つ。ただ前例のない規模の支援パッケージの裏返しとして、急速な財源の枯渇リスクが取り沙汰されている。
◆4月23日のEU首脳会議では、4月9日のユーログループで合意した、総額5,400億ユーロの支援策3案を承認した。6月1日までに、EU加盟国政府には欧州安定メカニズム(ESM)を活用するパンデミック危機支援スキームを、企業には欧州投資銀行(EIB)のスキーム、さらに従業員には失業リスク緩和緊急支援(SURE)を通じた、支援が開始されることとなる。ただ、最も注目されていた復興基金に関しては、その規模と範囲で折り合えず、次回協議以降に棚上げとなっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
-
4-6月期ユーロ圏GDP 原油高でも底堅く成長
実質GDP成長率は前期比+0.4%と市場予想から上振れ
2026年07月31日
-
欧州経済見通し 中東情勢に一喜一憂
ECBの追加利上げの可能性が高まる/英国ではバーナム政権が始動
2026年07月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

