サマリー
◆2019年12月12日の総選挙でジョンソン首相が率いる保守党が圧勝したことを受け、2020年1月31日、英国はEUを離脱することがほぼ確実となった。1月9日には離脱協定法案が下院の第3読会を通過し、上院の審議を経て1月22日に成立する見込みである。離脱協定法案では、ジョンソン首相が総選挙でのマニフェストを守るべく、2020年12月末までの移行期間の延長を不可とした条項を含む修正をするなど、強硬離脱の流れを明確にした。
◆通商協定交渉では、ジョンソン首相が当初から提案していた、カナダ型の自由貿易協定(サービスではなく、財を中心に構成される協定)締結を目指し、EUとの政治的連携を軽視する姿勢を示したことで、今後の英国経済に対して厳しい逆風が予想されている。2018年7月のメイ政権のチェッカーズ合意に抗議し、EU規制からの離脱を求めて、当時外相だったジョンソン首相が辞任したことも留意すべき点である。
◆政治宣言では2020年末までの協定締結に英国・EUの双方が尽力すると明記されているものの、EUが悲観的な発言を繰り返すことに英国政府は苛立ちを隠せないのが実情であろう。フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、単一市場のいいところ取りは許さない姿勢を明確にし、通商協定では関税や割り当てのほか、ダンピングも含まれるべきではないとの意向を示し、英国・EU の意見の違いが露呈している。
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