サマリー
◆10月17日、英国のEU離脱を巡る新離脱協定案が英国とEU間で合意されたことが発表された。ただメイ元首相の離脱協定案に反対してきた労働党、自由民主党はもとより、EUからの明確な離脱を目指すブレグジット党のファラージ党首までも新離脱協定案よりも離脱期限延期を求めるなど、次々と不支持を表明している。
◆ユンケル欧州委員会委員長は、新離脱協定案の英国議会承認を促すためか、議会がこれを否決した場合でも離脱期限延期を認めないことを示唆する発言をしている。このため、ジョンソン首相が延期要請の親書を提出したとしても、同委員長の発言や、全EU27加盟国の承認が必要なことから、延期が否認される可能性は低くない。
◆合意形成後、英国議会はこの新離脱協定案の精査に向け、10月19日の土曜日に議会開会を求める動議を可決した。新離脱協定案が、議会承認が得られるかまだはっきりしないだけに、英国の将来を占う上で重要な日となる可能性が高い。
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