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ジョンソン首相誕生のリスク

新首相候補の合意なき離脱への奇策

2019年07月19日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆ジョンソン元外相とハント外相の一騎打ちとなった英国保守党の党首選が佳境を迎えている。7月23日の17時頃にその結果発表が予定されているが、現時点での世論調査からはジョンソン元外相が圧倒的に有利と言われている。ジョンソン元外相は、党首選の一環として英国各地で行われた討論会で、何があっても10月31日に離脱すると強調することで保守党内からの支持を盤石とした。

◆どちらが次期首相になろうとも、10月31日までに残された時間は少ない。英国議会は7月25日から9月3日まで夏季休会に入るため、実質的な協議ができる期間は2ヵ月弱となろう。ただジョンソン元外相、ハント外相の両候補ともバックストップを修正する妥協案を排除したことで、合意なき離脱の可能性が高まっているのが実情である。その一方で、7月18日に非政府組織である代替措置委員会(Alternative Arrangements Commission)を設置し、バックストップに対する代替措置に関する報告書を発表した。

◆保守党党首選に出馬したラーブ元EU離脱担当相が、議会承認が得られない合意なき離脱を強行するために議会(現在の会期)を休会させることを示唆した際には、民主主義を軽視しているとして批判が集中した。しかしジョンソン元外相もこれに似た奇策で、合意なき離脱を強行する可能性が報じられている。

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