サマリー
◆ジョンソン元外相とハント外相の一騎打ちとなった英国保守党の党首選が佳境を迎えている。7月23日の17時頃にその結果発表が予定されているが、現時点での世論調査からはジョンソン元外相が圧倒的に有利と言われている。ジョンソン元外相は、党首選の一環として英国各地で行われた討論会で、何があっても10月31日に離脱すると強調することで保守党内からの支持を盤石とした。
◆どちらが次期首相になろうとも、10月31日までに残された時間は少ない。英国議会は7月25日から9月3日まで夏季休会に入るため、実質的な協議ができる期間は2ヵ月弱となろう。ただジョンソン元外相、ハント外相の両候補ともバックストップを修正する妥協案を排除したことで、合意なき離脱の可能性が高まっているのが実情である。その一方で、7月18日に非政府組織である代替措置委員会(Alternative Arrangements Commission)を設置し、バックストップに対する代替措置に関する報告書を発表した。
◆保守党党首選に出馬したラーブ元EU離脱担当相が、議会承認が得られない合意なき離脱を強行するために議会(現在の会期)を休会させることを示唆した際には、民主主義を軽視しているとして批判が集中した。しかしジョンソン元外相もこれに似た奇策で、合意なき離脱を強行する可能性が報じられている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
4-6月期ユーロ圏GDP かろうじてプラス成長
ドイツ、イタリアがマイナス成長転換も、好調スペインが下支え
2025年07月31日
-
ドイツ経済低迷の背景と、低迷脱却に向けた政策転換
『大和総研調査季報』2025年夏季号(Vol.59)掲載
2025年07月24日
-
欧州経済見通し 輸出環境が一段と悪化
米国の追加関税率は30%に引き上げへ、ユーロ高も輸出の重荷に
2025年07月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日